名古屋学院大学シラバス


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【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
2限環境経済論秋A名古屋 22佐々木 健吾GD2332

【授業情報】

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講義概要

21世紀以降も人類が地球上で生存できるためには、地球温暖化や資源の枯渇、生物多様性の喪失といったさまざまな環境問題を克服することが不可欠である。そして、さまざまなデータや証拠を照合すると、環境問題の原因は、より経済的に豊かな生活を目指す人類の経済活動であるように思える。

本講義の目的は、大きく分けて2つある。

1つには、応用経済学としての環境経済学を「理論的に」学ぶことである。特に、環境問題の発生メカニズムやその解決方法についてミクロ経済理論を用いて議論する。たとえば、共有資源(公海、牧草地、地下水盆、森林、漁獲資源など)の劣化や過剰利用の問題は「ゲーム理論」を用いることで、また公害や地球温暖化をはじめとするほとんどの環境汚染問題は「外部性」によってその発生メカニズムを説明できる。当然のことながら、問題の発生メカニズムがわかれば、その解決方法を見つけることができる。

2つには、地球という「グローバル」な観点から、これから先の人類が直面するだろう環境問題を理解することである。いわゆる先進国は経済的豊かさを享受している一方で、後発開発途上国は貧しい生活を強いられており、1日1ドルでの生活を余儀なくされている人々は10億人ともいわれる。これらの人々にも経済的豊かさを享受する権利があるはずであるが、現状のままで経済成長が続けば、地球温暖化は人類に深刻な影響を与えることが予測されている。すなわち、経済成長と環境保全との間にはトレード・オフが存在するのである。この関係はどのように切り離すことができるのだろうか。

上記の2つの目的、すなわち①環境問題の経済理論的説明、②経済成長と環境保全のトレード・オフ、およびその切り離し、に関する理解ができるよう講義を進めていく。




【学習到達目標】

①環境問題の経済理論的説明、②経済成長と環境保全のトレード・オフ、およびその切り離しを理解すること。



履修上の注意

「環境問題」を考える講義において、私語等の教室の学習環境を乱す行為は論外であり、厳しく対処する(もちろんすべての講義において当然のことであるが、本講義では特に)。

ミクロ経済学入門、ミクロ経済学を履修済み、または並行して履修することが望ましい。



【事前準備学習】

少なくともミクロ経済学入門の内容を復習しておくこと。また、自分の関心がある環境問題に関する書籍を1冊は読んでおいてください。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書講義では適宜レジュメ・資料を配布する。
参考書『ゼミナール 環境経済学入門』 前田章 日本経済新聞出版社 2010
『グラフィック 環境経済学』 浅子和美ほか 新世社 2015
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

定期試験 80%  平常点 20%
平常点は出席回数ではない。ただ「出席している」だけでは、何の意味もありません。詳細については初回講義時に指示します。



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1イントロダクション(講義概要、成績評価、受講上の注意点の説明)
2環境経済学のすすめ
3環境経済学の基礎理論-外部性と市場の失敗
4環境経済学の基礎理論-囚人のジレンマと共有地の悲劇
5環境政策手段
6費用便益分析
7貧困と環境
8環境クズネッツ仮説
9地球温暖化の経済学-科学的根拠
10地球温暖化の経済学-リスク評価、不確実性、緩和と適応
11福祉水準の測定
12持続可能な発展論
13持続可能性の計測
14持続可能性・世代間倫理・割引
15総括・まとめ
16定期試験期間