【講義概要】
~自分たちの幸せを、自分たちの力で描き出すために~
「福祉」とは、「しあわせ(幸せ)」を意味する言葉です。国家などの“恩恵”として与えられてきた福祉は、福祉国家体制の発展のなかで国民の“権利”として保障される福祉へとその主体を変えてきました。市民自らが自他の福祉の向上を目指す「福祉社会」の時代を迎えたわが国においては、市民の“責務”としての福祉になりつつあるといっても過言ではありません。
福祉社会の担い手として必要な「価値・理論・技術」を修得するために、3つの講義〔“理論”を学ぶ「福祉社会論」、“方法”を学ぶ「ヒューマンサービス論」、“実践”を学ぶ「プロジェクト演習(山下担当クラス)」〕を提供します。
~“理論”を学ぶ「福祉社会論」~
わが国における福祉実践は、社会福祉の対象者別に立案された制度枠組みのもとに実施されてきました。しかし、社会福祉基礎構造改革により、サービス利用者とその提供者との対等な関係の確立、地域をベースとした総合的な支援、多様な提供主体の参入、サービスの質および効率性ならびに事業運営の透明性の確保、住民の積極的な参加など、新たな方向性が示されました。本講義では、福祉の概念について学ぶなかで、わが国における社会福祉関連施策や実践の歴史と現状、そしてそれらの課題について考察するだけでなく、これからの福祉のあり方について検討します。
※「ピアヘルパー資格」認定のための科目の一つです
【学習到達目標】
①福祉社会の在り方について社会福祉の概念を踏まえて説明できる
②社会福祉の主体および目的の移り変わりについて歴史的背景をもとに説明できる
③これからの福祉のあり方について自分の意見が言える
【履修上の注意】
この科目は「講義(座学)」として位置づけられますが、適宜、「演習」形式を取り入れながら展開します。したがって、各回講義中に提示するディスカッションやプレゼンテーション課題等について、積極的な取り組みを期待します。
【事前準備学習】
「国家」の役割および「市民」の概念について整理しておいてください。また、社会学や心理学を学習しておくことで、本講義の理解がより一層深まります。
「カウンセリング論」および「社会心理学」の単位をあわせて修得し、試験に合格することで、ピアヘルパー資格が取得できます。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『※指定なし(講義毎にプリントを配布します)』 - - - |
参考書 | 『福祉社会‐包摂の社会政策‐』 武川正吾 有斐閣アルマ 2011 『ウェルビーイング・タウン社会福祉入門』 岩田正美・上野谷加代子・藤村正之 有斐閣アルマ 2013 『社会変動の中の福祉国家-家族の失敗と国家の新しい機能-』 富永健一 中公新書 2001 『福祉国家の転換と福祉社会の展望』 足立正樹,編著. 高菅出版 2001 『問いからはじめる社会福祉学‐不安・不利・不信に挑む‐』 圷洋一・金子充・室田信一 有斐閣ストゥディア 2016 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
受講態度、講義時に示す課題および試験の成績を総合して評価します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | オリエンテーション | |
2 | 社会システムと社会的ニーズ | |
3 | 国家の役割と社会保障 | |
4 | 福祉国家の限界と社会福祉基礎構造改革 | |
5 | 社会的弱者①貧困者 | |
6 | 社会的弱者②高齢者 | |
7 | 社会的弱者③障害者 | |
8 | 社会的弱者④児童 | |
9 | 社会的弱者⑤その他 | |
10 | 社会的排除・社会的包摂 | |
11 | 福祉とコミュニティ | |
12 | 福祉の担い手とその役割 | |
13 | 地域包括ケアとソーシャル・キャピタル | |
14 | プレゼンテーション‐わが国の福祉のあり方について‐ | |
15 | 講義の総括 | |
16 | 定期試験期間 | |