【講義概要】
この授業は「民法」という法律の全体像を把握することを目的とする。
「法律!民法?」と聞くと、誰もが最初は、その内容が固くて、難しくて、よく分からないもの、と思いがちだが、法律の中で も意外と私達の身近に存在するのが「民法」である。
例えば、「20歳になれば成人になる」という、誰もが知っているこのルールは、民法4条に規定されているルール であるが、私たちは、日常生活の中において、知らない間に、この民法のルールを知り、適用している。
このように、民法は私達の日常生活の当たり前のルールを規定していることが多い。
また、民法は、日常生活において発生したトラブルを解決する方向性を導いてくれることもある。
例えば、「かなり昔に友達に貸したマンガの返却を友達に求めたが、時効だ!といって拒否された。 親切で貸してあげたのに、返してもらえないなんて・・・」、このような場合、本当にマンガは返してもらえないのだろうか?
民法はこのトラブルについて、「時効とは何か」、「時効はどのような条件が整えば成立するのか」などを規定しており、友人の言い分が法律的に正しいかどうかを判断する、一つの基準を示している。
この講義では、民法の基礎的な知識について大筋をつかむことで、日常生活、社会生活で生じるトラブルの解決能力を法的思考をもって解決する力を養うことを目的とする。
【学習到達目標】
民法の内容を単に暗記するのではなく、個々の情況を理解し、発生したトラブルを民法上の規定を適用して解決へ結び付けることができるようになりたい。
【履修上の注意】
<履修上の注意>
・ 私語一切禁止 … 私語をする者は、教室から退出してもらうので、留意すること。
・ 講義には、教科書、筆記具等を必ず持参すること。
【事前準備学習】
授業は、予習が終わっていることを前提に進めます。
授業前には、少なくとも1回は教科書を通読し、授業の内容をおおよそ把握した上で、授業に出席すること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『マンガでわかる民法入門』 伊藤真 ナツメ社 2012年
* 授業には必ず教科書、筆記具を持参すること
|
参考書 | 『民法講義0 ゼロからの民法入門』 近江幸治 成文堂 2012年 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
期末試験にて評価する。
* 上記の他、授業態度により減点することもあるので注意すること。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 民法とは 権利の主体と客体(人、法人、物) | |
2 | 法律行為、代理、法律行為の効果 | |
3 | 時効 | |
4 | 物権の性質と物権変動、占有権、所有権 | |
5 | 地上権、永小作権、地役権、入会権 | |
6 | 担保物権 | |
7 | 債権、債権の効力、債務不履行 | |
8 | 保証債務、債権の移転、債権の消滅 | |
9 | 契約①、②、③ | |
10 | 贈与契約、売買契約 | |
11 | 消費貸借契約、使用貸借契約、賃貸借契約、雇用契約、請負契約 他 | |
12 | 事務管理、不当利得、不法行為 | |
13 | 親族、婚姻と離婚 | |
14 | 親子、後見、扶養 | |
15 | 相続、遺言 | |
16 | 定期試験期間 | |