【講義概要】
この講義の目的は、現在の日本社会を、激動する世界経済のフレームワークの中で捉え、山積みされている日本経済の課題についてより深く考えてもらうことにあります。日本経済は「失われた20年」という言葉に象徴されるような長期的な経済停滞を経験し、その回復過程の最中に世界経済を襲ったリーマンショックの影響を最も強く受けた国のひとつです。その回復過程の中、またもや2011年には未曽有東北大震災に襲われました。
より長期的な視点から見れば、日本社会には克服すべき課題が山積みされています。世界で最も早い速度で進行する高齢化社会の本格的到来は、日本社会に対して様々な影響を与えています。我が国の財政事情は先進国の中で群を抜いて深刻です。国際化する金融市場の中で、日本の企業経営には海外投資家から鋭い刃がつきつけられています。終身雇用制度、年功序列型賃金体系も変貌を遂げつつあります。女性労働、非正規雇用、外国人労働者、労働市場を巡る議論は尽きません。
本講義はこれらの問題を議論してゆきますが、一つの特徴があります。それはこれらの論点を日本国内の視点からのみ議論するのではなく、可能なかぎり国際的、世界経済的な視点から議論しようとしている点です。
【学習到達目標】
我々が日々生活している日本社会について、激動する国際社会・経済の枠組みの中で理解を深めることが、主要な到達目標です。日本社会の直面する様々な経済的課題について自らより深く考えてもらいたいと思っています。
【履修上の注意】
私は非常勤講師なので、オフィスアワーはありませんので、質問・疑問等あれば、講義終了後に遠慮なく聞いて下さい。
【事前準備学習】
興味を持った点は講義前、後を問わずインターネット等でより深く調べて見てください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『最新日本経済入門 第五版』 小峰隆夫・村田啓子 日本評論社 2016年 教科書に追加する資料は講義中に配布します。
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参考書 | 『入門日本経済 第五版』 浅子和美・篠原聡一編 有斐閣 2016年 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション:日本経済が直面する諸問題 | |
2 | 日本経済の全体像 | |
3 | 戦後日本の経済成長 | |
4 | 雇用の変動と日本型雇用慣行の行方 | |
5 | 貿易と国際収支 | |
6 | 円レートの変動と日本経済 | |
7 | グローバル化の中の日本経済 | |
8 | 産業構造の変化と日本型企業経営の行方 | |
9 | 経済の鍵を握る金融 | |
10 | 物価の変動とデフレ問題 | |
11 | 財政をめぐる諸問題 | |
12 | 格差問題を考える | |
13 | 少子高齢化と社会保障 | |
14 | 人口構造の変化と日本経済 | |
15 | 日本経済と地域の振興 | |
16 | 定期試験時間 | |