【講義概要】
我が国はエネルギー資源の中心である化石燃料の大半を海外に依存しており、その安定供給を確保することは、今日の豊かな生活水準を維持する上で極めて重要である。本講義では、日本と世界の過去から将来にわたっての化石燃料に関わるエネルギー事情について述べるとともに、化石燃料がガソリンなどの石油製品になるまでにはどのような精製過程を経るのかについて解説する。また、石油化学工業で産み出されるプラスチックや合成繊維、合成ゴム、さらには医薬品、農薬等のファインケミカルの各業種についても説明する。
その後、化石燃料に代わる将来のエネルギー源としての自然エネルギーや核エネルギーの利用の現状、および克服すべき課題について説明する。最後に、人間の産業活動に伴って発生する地球環境問題についても触れ、21世紀の地球環境を守っていくための課題について述べる。
【学習到達目標】
日本は、エネルギー消費量が世界的に見て非常に多い国でありながら、エネルギー資源に恵まれていない。そのため、世界のいずれの国よりも、現在から将来にわたって、エネルギーの確保および省エネルギーに努力を払わなければならない国である。本授業を通じて、このような見識を養い、日本の工業・産業が今後どのように発展していくべきか考えられるようになってほしい。
【履修上の注意】
授業には毎回出席すること。毎回、理解度を確認するための小テストを実施する。小テストはその日の講義内容から出題するので、講義の内容をよく聞いて、重要事項を記録すること。
【事前準備学習】
特別な準備は必要ないが、エネルギー・資源問題や地球環境問題に日ごろから関心を持ちましょう。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『資源・エネルギー工学要論』 世良 力 東京化学同人 2013 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
定期試験50%、平常点50%
平常点は、授業態度と各回に実施する小テストにより評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 日本の化学工業概観 | |
2 | 日本と世界のエネルギー事情 | |
3 | 化石燃料 ― 石油 | |
4 | 化石燃料 ― 石炭 | |
5 | 化石燃料 ― 天然ガス、シェールガス、メタンハイドレード | |
6 | 石油化学工業 ― 合成繊維、合成ゴム、プラスチック | |
7 | ファインケミカル ― 医薬品、農薬、染料、香料、洗剤 | |
8 | 電気エネルギー | |
9 | 自然エネルギー ― 水力、地熱、風力、波力、新エネルギー(太陽光、バイオマス) | |
10 | 核エネルギー ― 核分裂反応と放射線 | |
11 | 核エネルギー ― 原子力発電 | |
12 | 核エネルギー ― 核廃棄物 | |
13 | 省エネルギー | |
14 | 地球環境問題 | |
15 | 21世紀の地球環境を守るためには | |
16 | 定期試験期間 | |