【講義概要】
高度に発展した現代社会においては、地球温暖化、大気汚染、水質汚濁、資源枯渇などの環境問題がますます深刻さを増している。それに加えて、現代人の生活環境の影響により、騒音、振動、悪臭、土壌汚染なども問題となっている。社会の持続可能な発展のためには、これらの環境を悪化させる要因を除去・防止し、環境を保全することが私たち人間社会の大きな課題である。そこで、このような課題に対処するために、環境に関する様々な法律や条約が定められている。環境に関わる法律としては、国の環境政策の基本的方向を示す「環境基本法」をはじめとして、「水質汚濁防止法」、「大気汚染防止法」、「廃棄物処理法」などの各環境関連法が定められている。また、地球環境に関わる国際条約としては、「京都議定書」、「気候変動枠組み条約」などがある。本講義では、まず、今日における環境法の生成過程を概観しながら、環境法の意義や基本原則などを学ぶ。その後、各環境関係法について個別的に学んでいく。また、事例学習として、重要な環境判例を取り上げ、環境紛争とその法的解決方法について考える。
【学習到達目標】
①環境法の意義や基本原則を理解し、個別の環境関連法や国際条約の内容を知る。
②環境問題に関する新聞記事や裁判例を読み、その法的な解決方法を検討できるようになる。
③環境法の理解を通して、社会に役立つ法的素養を身につける。
【履修上の注意】
①私語・無断欠席・途中退出は厳に慎むこと。
②積極的な態度で受講すること。
③環境問題や環境法に興味をもつこと。
【事前準備学習】
①受講にあたっては、あらかじめ参考書等で次回の講義予定部分を予習しておくこと。
②受講後は、次回の講義までに、配布した講義レジュメを復習しておくこと。
③日頃から、新聞や雑誌、インターネットなどで、環境問題に関連する記事を読んでおくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 教科書は特に指定しない。 |
参考書 | 『『環境法<第3版>』』 大塚直 有斐閣 2010年 『『環境法 〔第4版〕』』 阿部泰隆=淡路剛久 有斐閣 2011年 『『環境法入門 〔第2版〕』』 公告尚史ほか 有斐閣 2012年 『『18歳からはじめる環境法』』 大塚直 法律文化社 2013年 『『環境法判例百選[第2版]』』 淡路剛久ほか編 有斐閣 2011年 ※上記の参考書は代表例です。それぞれが自分に合った参考書を読んでかまわない。
※六法を必ず持参すること。出版社等は問わない。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
①試験・・・・70%
②平常点・・・30%
※試験は学習到達度確認の方法によって評価する。
※平常点は授業態度・その他を総合的に評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 講義ガイダンス | |
2 | 環境法とは何か | |
3 | 環境法の生成過程 | |
4 | 環境法の基本原則 | |
5 | 環境基本法 | |
6 | 大気汚染防止法 | |
7 | 水質汚濁防止法 | |
8 | 廃棄物処理法 | |
9 | 環境影響評価 | |
10 | リサイクルと法 | |
11 | 地球温暖化と法 | |
12 | 生物多様性と法 | |
13 | その他の環境関連法 | |
14 | 環境重要判例の検討① | |
15 | 環境重要判例の検討② | |
16 | 総括(まとめと学習到達度確認) | |