【講義概要】
フランスの19世紀後半を代表する作家のひとり、ギ・ド・モーパッサンの短編を読みながら「結末の意外性」から読み取れる物語の隠された意味を考える。
モーパッサンは約10年間におよそ360編の短編を書いたが、そのなかから20編を選んだ山田登世子訳による短編集をテクストに用いる。
基本的に各回でモーパッサンの短編を一つ取り上げ、物語を読み進めながらそこに描かれる人間の姿について考える。また、モーパッサンの短編を通して、私たちの生き方やこれからの人生の選択について考える。
【学習到達目標】
⒈ 19世紀のフランスで書かれた文学作品を味わい、作品を深く読むおもしろさを知る。
⒉ 19世紀のフランス社会と私たちの生きる今日の社会との関連性や人間性の共通点を理解する。
⒊ フランスと日本の人々や文化の相違点や共通点を理解する。
【履修上の注意】
⒈ 意欲を持って授業に参加する。
⒉ 授業の感想や疑問点、また授業中に見た映像の感想などをコメントシートに記入し、毎回授業後に提出する。
【事前準備学習】
1. 授業で扱う短編をあらかじめ読んでくること。
2. 授業中に疑問に思ったこと、関心を持ったことがらについて掘り下げ、図書館やインターネットなどで調べる。
3. 授業中に配布したプリントやテキストなどを、普段からよく見直しておくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『モーパッサン短編集』 モーパッサン 山田登世子編訳 筑摩書房 ちくま文庫 2009 ISBN9784480426598
定価800+税 |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | 『モーパッサン短編集 改版 1』 モーパッサン [著] ; 青柳瑞穂訳 新潮社 1995.7-2006.12 『モーパッサン短編集 改版 2』 モーパッサン [著] ; 青柳瑞穂訳 新潮社 1995.7-2006.12 『モーパッサン短編集 改版 3』 モーパッサン [著] ; 青柳瑞穂訳 新潮社 1995.7-2006.12 |
【評価方法】
定期試験(レポート試験)50%、中間レポート30%、コメントシートや授業の参加態度を含め総合的に評価
中間レポートはテキストの中からモーパッサンの短編をひとつ選んで800字で論述。詳細は授業中に指示
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | モーパッサンと彼の時代 | |
2 | モーパッサン短編「首飾り」(1884) 人生と選択1 | |
3 | 夏目漱石「文芸の哲学的基礎」に見る漱石の「首飾り」解釈 人生と選択2 | |
4 | モーパッサン短編「宝石」(1883) 「首飾り」と「宝石」の比較 人生と選択3 | |
5 | モーパッサン短編「浮浪者」(1887) 文学と犯罪 | |
6 | モーパッサン短編「亡霊」(1883) | |
7 | モーパッサン短編「ピクニック」(1881) | |
8 | モーパッサン短編「みれん」(1883) | |
9 | モーパッサン短編「髪」(1884) | |
10 | モーパッサン短編「オンドリが鳴いたのよ」(1882) | |
11 | モーパッサン短編「ざんげ」(1883) | |
12 | モーパッサン短編「男爵夫人」 | |
13 | モーパッサン短編「夜」 | |
14 | モーパッサン短編「ミス・ハリエット」 | |
15 | まとめ モーパッサンの描く「社会」と「人間」、19世紀の人々と今日に生きる私たち | |
16 | 定期試験期間 | |