【講義概要】
春学期の「日本語学1」の続編である。「日本語学1」に引き続き、外国人に日本語を教えるという立場から見た日本語文法(基礎)を学ぶことになる。日本語文法を規則として暗記し、その知識で教えようとすれば、必ず答えられない多くの質問に出会うことになる。そのためにも、教授者が言語学的な分析能力を養うことことが重要である。よって、この授業では、一方通行的な講義形式をとるものではなく、学生の主体的参加によって授業が展開してゆく形式を採りたい。ReadingassignmentやHomeworkが重要な役割を果たすので、受講者は積極的にchallengeしないとPassできない。取り扱うテーマは次の3つである。
テンス
ボイス
人称
【学習到達目標】
到達目標は、日本語教員としての言語学的資質の養成です。外国人に日本語の文法的なことがらについて質問されたときに対応できるようになります。
【履修上の注意】
自分の「頭」で物事を考えることが要求されます。大学での「学び」に関心のあることが条件です。また、CCSの電子講義板での議論に積極的に参加することも求められます。
【事前準備学習】
授業前には前回の講義の部分を復習します。講義後は復習してください。その際に疑問に思ったことは次回の授業で質問してください。講義科目は自らの「頭」を鍛えることが重要です。いろいろな「疑問」を持つこと、そしてそれに対してどうしたら答えが見つかるのかを考えることが、大切です。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | 『認知言語学原理』 山梨正明著 くろしお出版 2000.4 『ウチとソトの言語文化学 : 文法を文化で切る』 牧野成一著 アルク 1996.12 『日本語は進化する : 情意表現から論理表現へ』 加賀野井秀一著 日本放送出版協会 2002.5 『日本語文法のしくみ(シリ-ズ・日本語のしくみを探る:1)』 井上優著 研究社 2002.4 『日本語学のしくみ(シリ-ズ・日本語のしくみを探る:4)』 加藤重広著 研究社 2001.10 『生成文法の考え方(英語学モノグラフシリーズ:2)』 北川善久, 上山あゆみ著 研究社 2004.10 『生成文法の企て』 ノーム・チョムスキー [著]/福井直樹, 辻子美保子訳 岩波書店 2003.11 |
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション:日本語学と言語学 | |
2 | テンス:ル形・タ形 | |
3 | テンス:従属節 | |
4 | テンス:特殊用法 | |
5 | ボイス:直接・間接 | |
6 | ボイス:動作主マーカー | |
7 | ボイス:受動文の機能 | |
8 | ボイス:日英語の比較研究 | |
9 | 人称:人称制限 | |
10 | 人称:情報のなわばり | |
11 | 人称:あげる・もらう | |
12 | 数量詞詞遊離現象とCコマンド | |
13 | 格助詞の省略 | |
14 | 2種類の自動詞 | |
15 | まとめ | |
16 | 定期試験期間 | |