【講義概要】
住民生活に密接にかかわる身近な行政は、まさしく、地方公共団体による行政に他ならない。このような地方行政を理解するためには、地方自治法をはじめとする地方自治法制度において、地方公共団体の組織や運営がどのように定められているか、これを知ることが重要である。
そこで、本講義では、地方自治法の全体像を理解するとともに、地方自治の現状と課題を探索しながら、地方自治のあり方を深く考える。日本国憲法や地方自治法の条文解釈が中心となるが、判例や各地方公共団体の先進的事例などを紹介しながら検討を進めていく。講義の内容としては、地方公共団体の種別、事務、住民、議会、執行機関、条例、規則、組織及び財務などを取りあげ、法学部法学科の3つのディプロマシー(知識・技能、思考力・判断力・表現力、主体性・多様性・協働性)の取得を目指す。
【学習到達目標】
① 地方自治の歴史や意義、地方自治法に則した地方公共団体の組織や活動を十分に認識することができる。
② 住民が地方行政あるいは地方自治に関わっていくための各種の制度、これを的確に指摘することができる。
③ 地方自治の現状と課題をしっかりと理解し、地方自治のあるべき姿を自分なりに模索することができる。
【履修上の注意】
毎回、六法を必ず持参してください。
【事前準備学習】
自治体財政の困窮、地方分権、地方創生や地方再生など、近時の新しい問題に関しては、基本書以外に、新聞報道やインタ―ネットでの資料収集を行う必要がある。そこで、マスコミや新聞報道には、常に関心を持って見ておいてください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『地方自治法基本解説(第6版)』 川崎政司 法学書院 2015年 授業時には、参考資料(15回講義分)を配布します。 |
参考書 | 『地方自治判例百選(第4版)』 磯部力・小幡純子・斉藤誠編・ 有斐閣 2013年 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
定期試験を90%とし、平常点の10%と併せて評価します。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 地方自治の一般理念(意義・本旨など) | |
2 | 地方公共団体の種別 (1) 普通地方公共団体 | |
3 | 地方公共団体の種別 (2) 特別地方公共団体:その他の団体 | |
4 | 地方公共団体の事務・事業 | |
5 | 地方公共団体の住民(意義・住所など) | |
6 | 立法者としての地方公共団体 = 条例及び規則の制定 | |
7 | 法令執行者・調整者としての地方公共団体 = 法治行政:要綱及び協定の策定 | |
8 | 給付者としての地方公共団体 = 住民福祉の増進 | |
9 | 地方公共団体の組織 (1) 議会・議員の地位と権限 | |
10 | 地方公共団体の組織 (2) 首長の地位と権限 | |
11 | 地方公共団体の組織 (3) 補助機関・補助職員 | |
12 | 地方公共団体の財務 (1) 自主課税権・財政・会計・予算など | |
13 | 地方公共団体の財務 (2) 支出・決算・契約・財産など | |
14 | 地方公共団体の財務 (3) 住民監査請求・住民訴訟 | |
15 | 国と地方公共団体:地方公共団体相互の関係 | |
16 | 定期試験 | |