【講義概要】
本講義は、会社法1の学修をふまえて、会社法の各論のうち、資金調達としてのコーポレートファイナンス、
会社の計算、そして企業の成長や生き残りを目的とした企業再編、さらに会社の設立と解散・清算を対象
とする。とくに株式を活用した企業買収やその防衛策、合併・会社分割・事業譲渡などの企業再編手段に
ついては、豊富な具体的事例があり生きた企業社会の現実を素材に検討するため会社法判例集を活用
する。
会社法2でも、会社利害関係人の利害調整が問題となるので、民法の基本的な理解を前提に講義が展開
される。なお、改正民法が成立しているので、改正内容についても会社法との関係で言及する。
【学習到達目標】
資金調達手段として株式がどのように機能しているか。株式を利用して企業再編はどのように実現されるのか。
企業が上げた利益の分配はなぜ制約されるのか。いずれも関連した問題であり、投資者や株主と会社債権者
の保護に関わるということを理解させる。
【履修上の注意】
民法総則、債権法、会社法1などを学修していることを前提に
講義が進められる。民法関係の科目を幅広く履修しておくこと。
【事前準備学習】
・会社法について、基本書を読んでおくこと
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『会社法の道案内』 山下眞弘 法律文化社 2015年 |
参考書 | 『会社事業承継の実務と理論』 山下眞弘 法律文化社 2017年 『改正民法要点のすべて』 早稲田リーガルコモンズ法律事務所 日本実業出版社 2017年 参考書欄 『改正民法要点のすべて』は入門書であり、分かり易いので、
できれば購読することを勧めたい。授業でも会社法との関係で言及する。 |
指定図書 | 『会社事業承継の実務と理論 : 会社法・相続法・租税法・労働法・信託法の交錯』 山下眞弘著 法律文化社 2017.2 |
【評価方法】
小テストを実施し、定期試験との総合評価とする。
配点などの詳細については、開講時に説明する。
質問にも積極的に応じるため、質問票を配布する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 会社法の全体像 | |
2 | 資金調達手段としての株式制度―なぜ株式か | |
3 | 種類株式の機能―なぜ多様な株式があるのか | |
4 | 株主の権利と義務―株主平等原則とは | |
5 | 少数株主の保護制度―少数株主権とは | |
6 | 親子会社間での株式取得制限―自己株式の取得とは | |
7 | 株式以外による資金調達―社債、新株予約権とは | |
8 | 企業買収とその防衛策―敵対的買収は悪いのか | |
9 | 会社の合併と分割―その共通点と相違点 | |
10 | 会社分割と事業譲渡―その共通点と相違点 | |
11 | 企業再編の目的―その問題点は何か | |
12 | 会社の計算―資本金制度の必要性 | |
13 | 会社の設立はどうするか | |
14 | 会社の解散・清算 | |
15 | コーポレート・ガバナンスとファイナンス(総括) | |
16 | 定期試験週間 | |