【講義概要】
国際企業法務は企業法務の一分野であるが、企業法務の中でも“国際的な企業活動”や“企業の国際的な対応”の側面を取り扱っていきます。春学期に開講される「国際取引法」の応用講義(各論の内容)と理解してほしい。ただ、より”現場感覚”で実務をイメージできるように講義を進めます。例えば、貿易取引ではどんな書類(信用状、荷為替手形、B・L(船済証券)等)がどんなタイミングでやり取りされ、そこにどんな法律問題が生まれるのかというような点です。その意味で、事例を使って説明を行っていきます。銀行、信用金庫等の金融機関、商社や貿易会社等で海外関係の仕事に興味を持っている方、あるいはメーカーや販売会社(店)で貿易・海外事業関係の業務や法務・総務、経理関係の仕事を目指している方は基礎的な知識を修得するためにも受講することをお勧めします。なお、本講義は応用科目ですので、商法、会社法、国際取引法等の基本的知識を理解していると、本講義が一層判り易くなると思います。
【学習到達目標】
国際企業法務のベースとなる各種国際契約(輸出契約、販売代理店契約、ライセンス契約、合弁会社契約等)の基礎的な考え方や項目を充分に理解してもらうことが基準となります。
【履修上の注意】
毎回の講義で説明プリントを配布します。とくに説明資料に記載される項目および重要語句をよく理解することが大事です。単にノートをとることだけではなく、考え方・概念を理解しようと務めることが大事です。
【事前準備学習】
・事前学習としては、国際的な商取引に関する話題を新聞、ネット等で調べる努力をして頂きたい。本講義では事後学習のほうが重要だと思いますので、まず、企業取引で使われる法律概念・用語をきちっと理解することがポイントです。これは、皆さんが企業や公務員を目指す上でも知識として重要になると思います。、
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『企業取引法の実務〈補訂版〉』 花水征一・三浦哲男 (株)商事法務 2011年 各講義で配布するプリントと照らし合わせて理解するよう努めること。 |
参考書 | 未定 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
原則として、期末試験による。講義期間中、簡単な理解度チェック試験を4-5回程度実施し、その評点も加味して最終評価を行います。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 国際企業法務の現状と課題 | |
2 | 国際契約に共通の問題 | |
3 | 国際売買契約(1) | |
4 | 国際売買契約(2) | |
5 | 販売店契約&代理店取引と契約形態 | |
6 | フランチャイズ・ビジネスと契約形態 | |
7 | 知的財産権(IP-Industrial Property)(1) | |
8 | IP取引とライセンス契約 | |
9 | 製造物責任と企業取引 | |
10 | 通商問題(アンチ・ダンピング調査、セーフガード等)と企業取引 | |
11 | FTA,TPP等の通商協定に対する企業の対応 | |
12 | 海外事業投資 | |
13 | 合弁会社と契約形態 | |
14 | 国際企業活動と企業責任(グローバル・ビジネスとリスク) | |
15 | 国際的な企業買収 | |
16 | 定期試験週間 | |