【講義概要】
教育心理は心理学の諸理論を教育の現場に応用する科学である。学校教育を考える上で、教育心理学に関するさまざまな知識や技術を習得し、それらを利用しながら教育に関わる現象を分析的に捉えることは重要である。また、近年、「不登校」、「いじめ」、「学級崩壊」といった学校をめぐる出来事が社会問題化してきている。将来教職に携わる諸君にとって、これらの問題を自分自身の問題として真剣に捉える必要がある。この授業では、教育心理学の基本的な用語や理論を正確に理解し、実際の教育現場をイメージしながら自分の中に取り入れ、学校をめぐる問題を心理学的に考える基礎を養うことを主な目的としている。
どのようにしたら効果的な学習は進められるか、生徒が意欲的に学習に取り組むためにはどのような条件が必要となるのか、多様な反応をする生徒を個々に理解し、適切な反応をするには、何が必要であるのか。
また、学校教育は生徒一人ひとりの自己実現をはかるために、生徒を指導・援助し、豊かな人生を歩む方向づけをすることを目指すものである。そのために教科指導は勿論、生徒の人間性の成長を促進する役割を担う。この講義では、学校教育に求められている人間性の成長について、その基礎知識や技術の習得を目標とする。これらの教育現場における課題を念頭におきつつ、教育心理学1の内容としては、主として、発達と学習の基礎的問題を取り上げる。
【学習到達目標】
教育における発達心理学の意義を理解すること。様々な発達の側面と、その理論、発達の原動力について理解すること。
【履修上の注意】
この科目は、教員免許を取得することを最終の目標とした科目であり、将来教員になるという意識をしっかり持っていることが重要である。
よりよい教員とはどのようなものか、常に考える姿勢が大切である。
【事前準備学習】
毎時間の終わりに、次週の範囲の予告をするので、テキストの該当部分を読んでおくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『学校で役立つ心理学』 谷口篤・田村隆宏 八千代出版 2011 |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 教育心理学の意義 | |
2 | 発達心理学の意義と一般原理 | |
3 | 発達の理論1 認知発達 | |
4 | 発達の理論2 精神分析理論 | |
5 | 身体的発達と精神的発達 | |
6 | 知覚の仕組みと発達、及びその障害 | |
7 | 記憶の仕組みと発達 | |
8 | 読み書き能力の発達とその仕組みとその障害 | |
9 | 思考と知能の仕組みと発達 知能と思考の発達とその障害 | |
10 | パーソナリティと情緒の仕組みと発達とその障害 | |
11 | 社会性の仕組みと発達とその障害1 友人関係 | |
12 | 社会性の仕組みと発達とその障害2 親子関係 | |
13 | 青年期の発達的諸問題 | |
14 | 心身の障害の特徴とその心理 | |
15 | 発達の障害と適応、授業総括 | |
16 | 定期試験期間 | |