【講義概要】
生命倫理について学ぶということは、生命に関わる人間の行為について、自然科学の最先端の知識をもとにしつつ、これまでの歴史において人間自身を考察してきた知識と叡智をさらに積み上げていく過程である。基本的には人間が人間らしく生きるための生物原理を考察するが、同時に人間とともに生物圏を構成しているすべての生命についても思いを巡らせるものでなければならない。そのためには、「生命」「生物」「人間」に関する基本的な科学的知識を学習するとともに、「人間の生き方」「人間と生物の対話の方法」「生命を科学的に取り扱うことの意味」を学習者自身が自らの視点で「思考」しなければならない。
【学習到達目標】
(1)生命とは何かということに対する先端科学の認識を正しく理解する。
(2)現実に存在する「生命倫理にかかわる問題」を整理して、学習者自身の考えをまとめる。
(3)生命の尊さの意味について理解を深める。
【履修上の注意】
テーマについての活発な発表と議論を期待する。そのため、指定された予習をして毎回授業に臨むこと。なんの準備もなく教室に来て座っていても履修しているとはみなさない。
【事前準備学習】
与えられたテーマについて、具体的事実、問題点、理解の方法、解決法などの多様な視点で、十分な予習をしておくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 授業の中で指示する |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
毎回の授業における発表、レポートなど 50%
最終課題についてのレポート 50%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 生命とは何か-オリエンテーション- | |
2 | 生命の起源と種多様化の原理-進化の観念と生命問題- | |
3 | 生物としての人間存在 | |
4 | 自然科学は生命をどのように理解してきたのか | |
5 | 現代における生命倫理の問題 (1)遺伝という生命原理のとらえかた | |
6 | 現代における生命倫理の問題 (2)DNAの知識は何を変えたか | |
7 | 現代における生命倫理の問題 (3)遺伝子操作と生命工学の進展 | |
8 | 現代における生命倫理の問題 (4)バイオテクノロジーの功罪 | |
9 | 現代における生命倫理の問題 (5)人間は動植物の代弁者となり得るか? | |
10 | 個人にとって生の始まりは何時か? | |
11 | 「いのちの誕生」と生命操作技術の介在 | |
12 | 「死」という自然現象とその自己決定のあり方 | |
13 | 生命のパーツとしての人体器官?-生命の全体性について- | |
14 | 生命は誰のものか?. | |
15 | 再び、自然科学は生命をどのように理解してきたか-総括- | |
16 | 定期試験期間 | |