【講義概要】
今後発生が予想される南海トラフ地震や大型台風・集中豪雨に対し、災害をできるだけ減少させるまちづくりの取り組みである「減災まちづくり」、および社会的に弱い立場にある人々への日常的な取組みとしての「福祉まちづくり」を併せ持った「減災福祉まちづくり」を対象とします。
本講義は、これまでの災害史と被災の実態、および減災にむけた対策、コミュニティ再生と福祉やボランティア、さらには地域情報の習得など、減災福祉まちづくりの概念と基礎を学ぶとともに、とりわけ「減災まちづくり情報システム(ISDM)」(名古屋都市センターと名古屋大学減災連携研究センターとが連携して開発しているもの)を活用した災害への備えと、災害の影響は社会的弱者に大きいことから、福祉的視点をとりいれたまちづくりを学んでいきます。
なお、それぞれの講義テーマに応じ、名古屋都市センター、レスキューストックヤード、名古屋市防災危機管理局の協力を得ながら、一層理解が深まる講義を実施します。
※COC地域志向科目
【学習到達目標】
減災福祉まちづくりの体系的な基本学習を通じて、日常的な減災まちづくりへの取り組みや社会的弱者への配慮(福祉)といった基本を理解できる人材を育成することを目標とします。
【履修上の注意】
非常に身近なテーマであり、他人事でなく自分のこととしてとらえ、発災時にどう行動するか常日頃考えていることが重要です。そのためには、住んでいるところ、通学ルート、大学及びその界隈がどういう状況になっているのか、情報を持っていてください。
専門用語が授業中に出てきますので、不明の言葉の意味を調べるなどして、理解を深めておいてください。
※本講義は座学ですが、実践を強く志向しています。このため、可能な限りグループワークやディスカッションの機会を設けたいと考えています。受講生には積極的な参加を求めます。一方、受講生全員の学習機会を守るため、担当者講義中の私語は禁止します。
【事前準備学習】
下記の参考文献や日常的にテレビ・新聞・雑誌で本テーマとかかわる記事やニュースを入手しておいてください。そうすると講義の理解も深まります。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『被災者がいちばん伝えたいこと』 レスキューストックヤード編著 2014 『避難所運営の知恵袋』 レスキューストックヤード編著 2015 教科書の販売についての案内を初回の授業でおこないますので、出席してください。 |
参考書 | 『防災学講座 第4巻 防災計画論』 京都大学防災研究所 編 山海堂 2003 『三連動地震迫る』 木股文昭 中日新聞社 2011 『震災と情報』 徳田雄洋 岩波書店 2011 『人が死なない防災』 片田敏孝 集英社 2012 『3・11複合被災』 外岡秀俊 岩波書店 2012 『災害ソーシャルワーク入門―被災地の実践知から学ぶ』 上野谷加代子監修 日本社会福祉士養成校協会 中央法規出版 2013 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
毎回授業で学んだことを記述する小テストを平常点(40点)評価とし、定期試験(60点)とあわせて評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 減災福祉まちづくりとは何か(概論) | |
2 | 日本の災害史とまちづくり-地震・大火災・台風・集中豪雨等- | |
3 | 被災するということ①地震 | |
4 | 被災するということ②風水害 | |
5 | 人はなぜ逃げないか | |
6 | 被災に備えて-南海トラフ大地震の被害想定- | |
7 | 減災にむけた行政の取り組み-震災対策と風水害対策- | |
8 | 減災に向けた企業の取り組み-事業継続計画(BCP)等- | |
9 | 減災に向けた地域の取り組み-消防団活動や防災訓練等- | |
10 | コミュニティ再生と福祉まちづくり①-災害時と要支援者- | |
11 | コミュニティ再生と福祉まちづくり②-地縁組織の活動- | |
12 | 災害時における社会福祉の役割 | |
13 | 災害時におけるボランティア活動の役割 | |
14 | 減災福祉まちづくりに向けて-減災まちづくり情報システム(ISDM)を使って地域を知ろう- | |
15 | 減災福祉まちづくりに向けて私たちは今から何をしたらよいのか | |
16 | 定期試験期間 | |