【講義概要】
「特別の教科 道徳」(道徳科)が新設され、学校での道徳教育は新しい時代を迎えようとしている。この授業では、「学習指導要領」等を正確に理解し、これからの道徳教育とその要としての道徳科に求められる教育内容や指導法について認識を深める。
その上で、生徒の道徳性の発達に関する理解もふまえ、道徳授業の実践例の検討並びに教材研究、学習指導案づくりを行う。さらに、現代道徳教育の重要かつ具体的課題である「いじめや情報モラル等」についても考え、分析し、議論しあい、授業実践例等を通して、他者や他のいのちを思いやる心の成長、道徳性の発達へと結びつける。それとともに、教育志願者は実践的指導力を高めていく。
【学習到達目標】
[テーマ]
道徳教育の意義や原理等をふまえ、学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育とその要となる道徳科の目標、内容、指導計画等を理解し、教材研究や学習指導案の作成、模擬授業等を通して、実践的な指導力の基礎を身につける。
[到達目標]
1. 道徳の意義をふまえ、道徳教育の歴史と現状、現代的課題について理解を深める。
2. 道徳教育の重要性を、学校の教育活動全体と関連づけて考えられるようにする。
3. 学校教育における道徳教育の目標、内容、指導法に関する知識と理解を深める。
4. 生徒の心の成長と道徳性の発達について理解する。
【履修上の注意】
教職を目指す以上、出席は当然。また、他の人々の言葉に心を開いて、謙遜に聞くことを求めます。みんなを待つ生徒たちもみんなのコトバに耳を傾けます。
【事前準備学習】
受講前に「いのちの尊さ」「正義と愛」「差別と平和」などに関する書物を読んでおいてもらいたい。また、図書館にもかかる書籍があるので図書館カウンターで相談してもらうのも良い。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『私たちの道徳ー中学校ー』 文部科学省 廣済堂あかつき 2014年 『中学校学習指導要領解説 道徳編』 文部科学省 日本文教出版 2008年 その他、必要に応じてプリントを配布する。 |
参考書 | 『はじめての道徳教科書』 道徳教育をすすめる有識者の会 育鵬社 2013年 『梅原猛の授業 道徳』 梅原猛 朝日新聞社 2003年 『心のノート中学校平成21年版』 文部科学省 国立印刷 2009年 その他、必要に応じ適宜紹介する。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
最終試験:60%、授業中のレポート、学習指導案作成:20%、授業での発言:20%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 道徳教育論への招待:誕生、成長発達の意義 | |
2 | 戦前期日本における道徳教育 | |
3 | よりよく生きることを促すキリスト教教育 | |
4 | 戦後日本における道徳教育 | |
5 | 近年の道徳教育:「特別の教科 道徳」(道徳科)の新設 | |
6 | 愛と正義と平和の道徳教育 ①:いのちの素晴らしさ | |
7 | 愛と正義と平和の道徳教育 ②:大いなるものと触れ合って | |
8 | 愛と正義と平和の道徳教育 ③: 自利利他の家庭形成と地域形成 | |
9 | 愛と正義と平和の道徳教育 ④:世界平和と愛国心 | |
10 | 道徳教育における学習指導案の構成と内容、作成手順 | |
11 | 道徳教育における教材研究と指導課程の創意工夫 | |
12 | 授業実践例の分析①:いじめ、「いじめからの脱出ー内藤大助ー」 | |
13 | 授業実践例の分析②:支え合う、「鳩が飛び立つ日ー石井筆子ー」 | |
14 | 道徳教育における評価のあり方、考え方 | |
15 | 道徳教育、道徳科に求められる実践的指導力:唯一無二、協働、止揚 | |
16 | 定期試験 | |