【講義概要】
私達の日常生活は、その隅々まで法律で規定されています。この法律とは、民法が基本なのです。この民法の基礎を学びます。
法律を学ぶとは、条文を記憶することと、一般の人は想像します。しかし、実はそうではありません。条文知識は確かに重要なのですが、本当に重要なことは、その思考方法と判例なのです。
この授業では、民法入門として、民法の重要事項とその思考方法、そして判例を見ていきます。
民法1においては、民法の基本である総則を中心に、行為能力や意思能力、人間の始期終期、期間計算などを検討し、意思主義とそして法律行為の効力についての原則を理解します。これが契約の効力などの問題の解決に役立ちます。よって、これは社会科学系学部を卒業し経営社会に生きる方々にとっての必須の知識となるのみならず、現実社会に生きるものとして必須の知識となるものです。
こうした現実での有用性に重きを置き、実生活でも重要となる売買・賃貸借など、民法でも財産法といわれる部分についても検討を加え、自動車の購入、将来の不動産の購入、そして各種契約など、役立つ部分を扱います。そしてこれが、どうしても知っていなければならない見識となり、四年生大学卒ならではの学識となるのです。
そして、この民法は国家公務員、国税専門官、地方上級公務員の採用試験(専門科目が課せられるもの)にとって必須の科目の一つともなります。
【学習到達目標】
法律における思考方法や民法条文の基本的な解釈を理解し、また、基本的な重要判例の事実の概要と判決要旨を理解し説明できるようになること。実社会での契約等の現場において、問題点感知能力を発揮できるよう、基礎知識を得ること。 また、基本的な法律用語に触れ、理解し、法律問題につき立ち向かう気概を身につけること。
【履修上の注意】
私語は厳禁。テキスト・ノート、筆記具等を持参し、授業を受ける体制で参加すること。条文を参照するので、各自六法を用意すること。代表的なものを参考書として参考書欄に示しておく。
【事前準備学習】
予定されているテーマにつき、テキストを読んでおくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『民法がわかった 改訂第4版』 田中嗣久 田中義雄 法学書院 2008 |
参考書 | 『ポケット六法平成29年度版』 有斐閣 平成28年 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
筆記試験80% 授業中の質疑応答等平常点20%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 法律とは (法の特質、分類、法律の成立など) | |
2 | 私法としての民法 一般法としての民法 私的自治と任意法規・強行法規 | |
3 | 民法の一般条項 民法1条・90条 | |
4 | 私権の享有 人の始期と終期 制限行為能力者 | |
5 | 法律行為と意思主義 条件・期限 | |
6 | 無効と取り消し | |
7 | 代理 | |
8 | 時効 | |
9 | 物件と物権変動の意味 所有権 | |
10 | 留置権・先取特権、質権 | |
11 | 抵当権 | |
12 | 債権 債権の目的効力 債権の消滅 | |
13 | 契約 典型契約 | |
14 | 連帯保証と保証債務 | |
15 | まとめの講義 | |
16 | 定期試験期間 | |