【講義概要】
本講義では、経済学の主要な潮流として現在でも多大な影響を及ぼした2人の「人物」に注目し、経済についての考え方、捉え方などをわかりやすく説明する。2人の「人物」とは、①有効需要論を提唱し、今日のマクロ経済学の基礎を築いたジョン・メイナード・ケンイズ、②ケインズと同じ時期に有効需要の重要性を明らかにしたポーランド人経済学者のミハイル・カレツキである。また、本講義では、2人の「人物」(ケインズとカレツキ)が、それぞれ異なるやり方ではあったものの、ソ連邦の社会主義建設に深く係わった現実についても説明する。この際、映像・写真資料を用いて、履修者の理解を深めるように努める。
さらに、本講義では、キリスト大学での経済思想の学修を履修者に深めていただくため、キリスト教経済思想についても、その核心部分を説明する。
【学習到達目標】
本講義では、取り上げた2人の「人物」による経済の捉え方、経済的な考え方を整理した上で、それぞれの「人物」が経済の現実を①どのような視点から、②どのように分析し、さらには③経済政策の礎としてどのように位置づけたのか、といった点を明らかにすることを目的としているため、マクロ経済学、マクロ経済政策の基礎理論がどのように構築されたのかを理解することを学修上の到達目標として設定している。
【履修上の注意】
①履修者は、講義の中で紹介されるケインズとカレツキに関する(個人史を含めた)書籍をできるだけ多く読み進めること
②本講義の履修者は、マクロ経済学に関する講義科目を並行して履修すること
③講義の中で、履修者の感想や見解を知るため、メモの提出を求めることがある。
【事前準備学習】
ケインズとカレツキの個人史について、その都度、講義の中で紹介されるインターネット情報、人物評伝などについて、これを確認しておくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | ① 毎回、家本が作成するPPT(パワー・ポイント)資料を用いて講義を進める
② 毎回使用するPPT資料は、その都度、教材としてCCS上にアップする。
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参考書 | 参考書については、講義の中で紹介する。 |
指定図書 | 『資本主義の終焉と歴史の危機(集英社新書:0732A)』 水野和夫著 集英社 2014.3 |
【評価方法】
成績評価は、筆記試験結果(70%)と授業態度(30%)を総合して行う。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ケインズとカレツキ-なぜ、この2人を取り上げるのか | |
2 | ケインズ-青年時代゛ | |
3 | ケインズ-大学時代 | |
4 | ケインズ-インド省時代゛ | |
5 | ケインズ-大蔵省時代゛ | |
6 | ケインズ-有効需要の理論、流動性選好理論 | |
7 | ケインズ-スターリン時代のソ連邦訪問 | |
8 | カレツキ-青年時代 | |
9 | カレツキ-大学時代 | |
10 | カレツキ-カレツキ経済学 | |
11 | カレツキ-オスカー・ランゲと共に | |
12 | カレツキ-大学長としてのカレツキ | |
13 | カレツキ-ソ連邦「1965年経済改革」への関与 | |
14 | カレツキ-ポーランド経済改革への関与 | |
15 | 講義の総括と筆記試験 | |
16 | 定期試験期間 | |