【講義概要】
まず講義の初めに、手形・小切手の経済的機能として、手形・小切手の信用手段、送金手段、取立の手段、支払の手段の機能を説明する。次に手形上(小切手上)の法律行為である手形(小切手)行為の特色すなわち書面行為性、要式行為性、無因性、文言性、独立性等の説明をする。ついで、手形の絶対的記載事項である手形要件を説明するとともに白地手形の説明もここで行う。他人による手形行為としては、代理方式と代行方式があるが、その説明とともに、無権限でなされた場合、すなわち無権代理・偽造についての説明も加える。手形は裏書により、権利を移転できるが、裏書の方式、効力についての説明と、さらに手形取引の安全確保の制度である善意取得制度、人的抗弁の切断の制度の説明を行う。手形の支払のところでは、満期における支払と免責および支払がなされない場合の遡求について説明する。小切手のところでは、基本的な性質は為替手形と同じであるから、小切手に特有な制度に限定して説明する。すなわち、支払委託の取消、支払保証に代わる自己宛小切手、支払拒絶宣言、線引小切手の制度等の説明を中心に行う。
経済学部のディプロマ・ポリシーとの関係では、経済活動を補助する有価証券(手形・小切手)制度を理解することは、経済学と政治・法律分野とのつながりを理解し、経済社会を多面的に捉える能力の獲得に重要なことであるといえる。
【学習到達目標】
本講義においては、手形・小切手法に関する概説書並びに新聞・雑誌等の関連記事が理解できる水準に到達することを目標とする。
【事前準備学習】
教科書の指定をしておりますので、それを事前に読んで、あらかじめある程度の知識を得ていることが望ましい。特に教科書を読むだけでは、理解できないことがはっきりしていると、講義を集中して聴くことができるようになります。受講後は、授業中に書き留めたノートを見ながら、理解が出来ているか確認することが重要です。理解が十分ではない場合、疑問点がある場合は、積極的に質問をして下さい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 関口編著『現代商法Ⅲ(手形、小切手)』八千代出版 |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 手形・小切手の概要 | |
2 | 手形・小切手の経済的機能 | |
3 | 約束手形の振出…手形要件(絶対的記載事項) | |
4 | 約束手形の振出…振出しの効力 | |
5 | 白地手形 | |
6 | 譲渡裏書とその効力 | |
7 | 特殊な譲渡裏書 | |
8 | 特殊な裏書 | |
9 | 支払 | |
10 | 手形交換・不渡り・取引停止処分 | |
11 | 遡求 | |
12 | 手形(小切手)訴訟 | |
13 | 為替手形 | |
14 | 小切手 | |
15 | まとめ | |
16 | 定期試験期間 | |