【講義概要】
アルゴリズム(Algorithm)は一般的に問題解決(または、仕事)の手順と解釈され、計算機科学分野においてさらに次の2つの条件を満たすものである。
(1) あいまいではなく一意的に解釈できること
(2) 有限の回数で終了すること
アルゴリズムの記述には幾つかの方法(すなわち、表現方法)がある。その中に計算機のプログラミング言語(例えば、Visual Basic、C、Javaなど)を用いた記述方法があるが、プログラミング言語で記述したアルゴリズムはその言語のプログラム(例えば、VBプログラム、Cプログラムなど)と呼ばれる。よって、実社会問題を計算機で解決する際に、まずその問題を解くアルゴリズムを見つけなければならない。このため、アルゴリズム理論が情報処理技術の核心と位置づけられている。
本講義では、アルゴリズムの知識と作り方を修得することを目的とし、データ処理によく現れる典型的な問題を取り上げてそのアルゴリズムを解釈しながら、アルゴリズムの作り方を論ずる。
また、講義内容への理解を深めるためには、VB言語で解説したすべてのアルゴリズムのVBプログラム(Excel VBA マクロ)をつくり、さらにそのプログラムを実行することによりアルゴリズムの振る舞いの確認も行なう。実質上、本講義は実習形式の授業になる。なおこの授業でMS-Excel VBAマクロの作成技法を習得することも可能である。なお、講義の進捗状況に応じて内容の増減があり得る。
【学習到達目標】
◇アルゴリズムの基本的な作り方(あるいは考え方)を理解すること
◇プログラミングの基礎知識への理解を深めること
◇表計算ソフトExcel VBAマクロの作り方を習得すること
【履修上の注意】
講義内容は、表計算ソフトExcelに関する基礎知識と基本操作を習得できたという前提条件で構成されている。特に「実習形式」授業なので、この前提条件をクリアしたことが要求される。
パソコンかUSBメモリを持参すること。
【事前準備学習】
パソコンの基本操作ができるようにしておくこと
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『自作PowerPointスライド』 |
参考書 | 『アルゴリズムの基礎』 大森克史, 木村春彦, 広瀬貞樹著 共立出版 1997.2 『アルゴリズムの作り方-プログラミングの基礎と応用』 澤田 晃 共立出版 1989.3 『かんたんプログラミング Excel2002 VBA』 大村あつし 技術評論社 2002.6-2002.8 【注】その他、アルゴリズムに関する書籍が数多く出版されている。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
平常点:60%(学習状況、レポート課題、小テストなど)
期末試験:40%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 講義ガイダンス+アルゴリズム理論概要 | |
2 | プログラミング技法に関する基礎知識 | |
3 | データ検索アルゴリズムⅠ(最大(小)値を見つける問題)+VBE基本操作Ⅰ | |
4 | データ検索アルゴリズムⅡ(最大値の個数を求める問題)+VBE基本操作Ⅱ | |
5 | データ検索アルゴリズムⅢ(2次元配列の利用)+VBE基本操作Ⅲ | |
6 | データ検索アルゴリズムⅣ(指定条件によるデータの検索問題)+VBE基本操作Ⅳ | |
7 | 基本データ構造Ⅰ(リスト) | |
8 | 基本データ構造Ⅱ(キュー,スタック) | |
9 | ソーティングアルゴリズムⅠ(選択法) | |
10 | ソーティングアルゴリズムⅡ(挿入法、交換法) | |
11 | ソーティングアルゴリズムⅢ(クイックソート) | |
12 | ソーティングアルゴリズムⅣ(ヒープソート) | |
13 | 乱数発生アルゴリズム+VBE基本操作V | |
14 | 文字列処理アルゴリズム | |
15 | 授業総括 | |
16 | 定期試験期間 | |