【講義概要】
企業は理論的には、法人として設立された限りは永続するものと仮定される。しかし、現実にはむしろ、長期に渡りその経営活動を維持し続けることのほうが困難である。企業は自らの存在を維持し続けるため、ときには不正経理という手段を講じることもある。それはしばしば、経済事件として報道されている。本講座ではそういった具体的な事件をとりあげることによって、個別のケースへの監査人の対応や事例から、監査論における要点を整理し、監査の必要性や現在および将来における課題について学習する。
なお、本講義履修に際し、会計監査論をすでに履修していることがのぞましい。監査について基礎的な知識はすでに習得済みであることを前提とした内容を扱うためである。
また、授業中できる限り、履修学生に直接問いかけ、意見を求めることも考えている。履修学生間の議論も期待している。
【学習到達目標】
近年の企業の経済的事件を主としてとり上げることにより、監査の果たすべき役割や課題を整理することを目標とする。
【履修上の注意】
会計監査論を履修済みであることを前提とした内容を扱う。
【事前準備学習】
会計監査論で扱ったような基礎的な監査の機能や手続について復習しておくこと。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『ケースブック監査論』 吉見宏 新世社 2013年 |
参考書 | 『まなびの入門監査論』 盛田良久・百合野正博・朴大栄 中央経済社 『監査論テキスト』 山浦久司 中央経済社 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
試験および授業への取り組みの姿勢(授業中の態度等)を総合的に評価する。
また、私語や規定時間以上の遅刻・途中退席等、授業態度不良者とみなした場合は失格とすることもある。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 会計監査について | |
2 | 会計監査の必要性 | |
3 | 公認会計士・監査法人 | |
4 | 期待ギャップ問題 | |
5 | 会社法・金融商品取引法 | |
6 | 監査役監査・会計参与 | |
7 | 会計監査人による監査 | |
8 | 監査基準・監査手続 | |
9 | コーポレートガバナンスと監査 | |
10 | 内部統制 | |
11 | 継続企業を前提とした監査 | |
12 | 公的部門の監査 | |
13 | 環境監査 | |
14 | 監査の将来 | |
15 | まとめ | |
16 | 定期試験期間 | |