【講義概要】
この講義では、先史時代から歴史時代へといたる人類史を総合的に理解することを目指す。
ホモ・サピエンス(現代型ヒト)は、20万年前にアフリカで誕生し、言語使用にともなう発達したコミュニケーション能力や技術革新によって、アフリカ大陸からヨーロッパ、アジアへ居住地を拡散し、寒冷地へ、また乾燥地への進出を果たした。その後、5万年前に芸術および狩猟技術を革新させ、3万年前の犬の家畜化、1万2千年の牧畜と農耕の発明を経て、定住化と人口集中が始まった。さらに時が下り、5000年前から肥沃な三日月地帯に人類最初の文明が開花した。
世界の四大文明は、河川に沿って発達した灌漑農業によって築かれたとされるが、このような文明と文明を結ぶものは、サハラ砂漠からアラビア半島をへてゴビ砂漠へと帯状に続く乾燥地帯である。乾燥地に暮らす遊牧民の文化が文明を支えてきたのである。また、モンゴルなどの遊牧民が自ら帝国を築き、複数の文明を中に取り込む形で文化圏を拡大させたこともあった。
文明は、人口の集中した都市を中核に持つ。都市において、いかにして多数の人間が共住し、多種類の文化が共存してきたのか解説する。さらに、文化と経済の観点から、時間と空間を越えて文明を比較し、その本質と成立条件について考察する。
【学習到達目標】
先史時代から歴史時代へといたる人類史を総合的に理解することを目指す
【履修上の注意】
文化人類学入門、人類学をすでに履修していることが望ましい。
【事前準備学習】
4大文明について、その場所、時代、特徴について、事前に調べておいてください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
試験70%、授業態度と毎回の課題提出30%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 文明とは何かー文明史を学ぶ意義 | |
2 | 人類進化の概略 | |
3 | ホモ・サピエンスへの道 | |
4 | 基礎的な発明 | |
5 | メソポタミア/エジプト | |
6 | アフロ・ユーラシア乾燥地文明 | |
7 | 地理的条件 | |
8 | 栽培植物の条件 | |
9 | 動物と人間の関係 | |
10 | ヨーロッパ文明とインカ文明の衝突 | |
11 | 文化としての歴史観 | |
12 | 中国―黄河文明(農耕民)と遊牧民文明の相克 | |
13 | 文字の発明 | |
14 | 文字と言語 | |
15 | 現代社会の文明論 | |
16 | 定期試験期間 | |