【講義概要】
我々の日常生活では様々な情報システム(例えば、銀行のオンラインシステム、役所の各種証明発行など市民情報システム、企業の人事・財務など事務システム、インターネット上の情報検索などWeb情報システム等々)が利用されている。情報システムには複雑なものがあればごく簡単なものもある。とりわけ高度情報化社会において、情報の収集・発信や、経営状況の分析・判断などをより正確かつ迅速にすること(すなわち、仕事の効率化)が日常的に求められている。これを実現するための効果的な解決方法の一つとしては情報システムを開発することである。これから情報処理分野で活躍しようとする社会人に情報システム開発の能力を身に付けることは必須である。
本講義では、主に情報システムの開発工程と呼ばれる各段階(①システム分析と要求定義、②外部設計、③内部設計、④プログラム作成、⑤テスト、⑥システムの移行と運用)において、何をすべきか、どのように実現できるか(技法)などを論ずる。講義の進め方としては実際の情報システム開発を行いながら、情報システム設計に関する諸概念と諸技法を解説する、いわゆる「実習形式」を採用するのである。このようにシステム開発の実践を通して情報システム開発の諸概念と諸技法への理解をより深めることが考えられる。
近年、Microsoft Excelの機能が強化されたため、Microsoft Excelで仕事現場の情報処理が簡単に行なえるような場面が数多く見受けられる。Microsoft Excelの活用法をマスターできるならば、将来の仕事には必ず役立つだろうと思われる。そこで本講義では『ゲームソフト』と『問題集による自学自習システム』の2つのシステムを実際にMicrosoft Excelによって開発する。これらの開発を通してMicrosoft Excel VBAマクロによる情報システム開発のノウハウを習得することも可能である。
なお,講義の進捗状況に応じて内容の増減や順序を調整することがあり得る。
【学習到達目標】
◇ 情報システム開発に関する基礎知識と基本技法を身に付ける
◇ ExcelのVBAマクロの活用法を身に付ける
【履修上の注意】
◇ 「実習形式」授業のため、パソコンを持参すること。
◇ 本講義の内容が「アルゴリズム基礎実習」授業の基礎事項を修得したという前提で設定されたため、Excelの基本的な使い方を習得できていない受講生は必ず事前に各自で補習のこと。
【事前準備学習】
パソコンの基本操作とExcelの使い方ができるようにしておくこと
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『自作スライド(PowerPoint)』 |
参考書 | 『講義中指定』 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
平常点:70%(学習状況、設計実習課題の完成度、小テストなど)
期末試験:30%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンス+「自学自習システム」開発の実習概要 | |
2 | 情報システム開発概論 | |
3 | システム分析と要求定義 | |
4 | 外部設計(要求仕様の定義、論理データ設計など) | |
5 | 内部設計(機能分割・構造化、物理データ設計など) | |
6 | プログラム作成とテスト | |
7 | 情報システム開発実習:自学自習システムの開発概要 | |
8 | 情報システム開発実習:自学自習システムの基本設計 | |
9 | 情報システム開発実習:自学自習システムの外部設計 | |
10 | 情報システム開発実習:自学自習システムの内部設計 | |
11 | 情報システム開発実習:自学自習システムのプログラム作成 | |
12 | 情報システム開発実習:自学自習システムのテスト | |
13 | 情報システム開発実習:自学自習システムの完成と評価 | |
14 | 情報システムにおける評価手法について | |
15 | 講義総括 | |
16 | 定期試験期間 | |