【講義概要】
21世紀に入り、経済活動の国際化、グローバル化、ボーダレス化、はますます進展している。さらに、経済のソフト化・サービス化、高度情報通信ネットワーク化、規制緩和の進展になどにより、企業活動の様々な分野で変化がおきている。特に流通の変化はめざましく、商品や商品の販売方法、流通システムに大きな変化があらわれてきている。
特に、ヒト(人員)、モノ(商品)、カネ(金融)、情報、技術やノウハウなどは、国境を越えて自由に大規模に移動しており、国家間の垣根はますます低くなっており、全世界を視野に入れて経営活動(ビジネス活動)を行わなくてはならなくなってきている。
そこでこの商学総論では、上記のような変化、進展に対応するために、企業やその他の組織・機関における商品(有形商品、無形商品、サービス、アイデア、など)についての流通に関連した諸活動に関する基礎的な知識を講義する。
講義を受けるに当たっては、テレビ、新聞等で講義テーマに関するニュース、資料の収集を積極的にすることを望む。
【学習到達目標】
①ビジネスの現象においてもっとも基本的な「取引」について理解することを目指す。
②「取引」をとおして、メーカー(生産者)・卸売業・小売業・消費者の関係を理解する。
③上記①②を達成することで2年次以降の商学に関連する科目(流通、マーケティングなど)への基礎を築く。
④あらためて「当たり前」を問う姿勢を育成する。
【履修上の注意】
■授業の運営について
授業では学生の発言を求めるため積極的な姿勢が必要となる。また私語・携帯電話などは他者への迷惑となるので厳しく対処していく。
小テストを2回行う予定である。実施時期については、その前週に予告するため、むやみに欠席をしないように気をつけること。
欠席をした場合の情報収集などは自己の責任において行うこと。
■授業の展開について
本講義では「流通」を中心に扱うが、主に以下の3段階の流れを想定している。
①「流通」の中で我々にとり、もっとも親しみのある様々なタイプの小売業の成り立ちと仕組みを捉える。
②小売業の背後で流通を構成している卸売業に焦点を当てながら、メーカー(生産者)から小売商に至る(主に取引の)関係がどのように変化してきたかを捉える。
③上記①②のような現実が起こる仕組みを理解するための基本的な理論を捉える。
【事前準備学習】
授業は基本的にテキストに沿って行う。そのため該当の章を事前に読んでおくことが望ましい。
その上で、日ごろの経済ニュースや新聞に目を通すなどしながら、ビジネスにおいてどのようなトレンドがあるのかを大まかに知っておくことが大事である。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『1からの流通論』 石原武政・竹村正明 編 碩学舎 2008 |
参考書 | 『ゼミナール 流通入門』 田島義博・原田英生 編 日本経済新聞社 1997 『流通原理』 田村正紀 千倉書房 2001 『商学への招待』 石原武政・怱那憲治 編 有斐閣 2013 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
試験 70%
発言など授業への貢献度 30%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | 商学の基礎:復習 | |
2 | 取引慣行:取引制度の確立 | |
3 | 取引慣行:取引制度の変化 | |
4 | 流通系列化の成立 | |
5 | 流通系列化からの脱却 | |
6 | ロジスティクス:物流の役割 | |
7 | ロジスティクス:物流の革新 | |
8 | 商業者の役割:社会性と品揃え形成 | |
9 | 商業者の役割:売買集中の原理と品揃え形成 | |
10 | 商業の外部性と商業集積 | |
11 | 商業集積の管理問題とまちづくり | |
12 | 投機と延期の理論 | |
13 | 延期的流通の登場 | |
14 | 生産と流通の関係 | |
15 | 生産と流通の関係変化 | |
16 | 定期試験期間 | |