名古屋学院大学シラバス


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【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
3限医療倫理論秋後瀬戸 14岡西 哲夫

【授業情報】

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講義概要

 「今、なぜ医療倫理を学ぶのか」、それは、日々、起きている諸問題について、「倫理的にみて、何が問題であるかをはっきりと認識」し、「よりよい医療とは何か」を考えることが、カリキュラム・ポリシーの基本にあるように、リハビリテーションに関わる専門職としての理学療法において重要となるからである。医療倫理学では、この「倫理的に何が問題か」を捉えること、そして「よりよい医療とは何か」を考えることを基軸にして授業を進める。
 医療倫理の学習にとって、歴史への理解とそこに流れる「倫理思想」や「医療の倫理」を学ぶことは重要である。倫理規範(どう考え、行動するかが倫理的に適切なのか)は、古い時代から存在した。しかし、医療倫理の考え方は時代の流れの中で変遷してきた。特に二つの世界大戦の悲劇を経て、患者の権利(医療倫理の原則では自律尊重の原則)が確立されるまでの過程(医療者と患者の関係)を学ぶことは重要である。
 さらに1960年~1970年において、患者の視点(患者中心の医療)、社会の視点(自律)、研究倫理(インフォームドコンセント)の流れの中で、新しい生命倫理観とバイオエシックス(生命倫理)が誕生した。授業の後半は、人間対人間の関係から生命の関係をも視野に入れた、「生命倫理」の意義と研究対象としての領域(遺伝子診断、生殖医療、脳死と臓器移植、尊厳死、安楽死、再生医療など)を概観し、新しい医療の高度化、多様化に対応する生命倫理の考え方を学ぶ。



【学習到達目標】

1)リハビリテーション医療現場(人間対人間の関係)において、「これは善いことか、正しいことか」の根拠となる「倫理観」を持って対処できる。2)今日の医療技術の発展に伴う倫理的諸問題について概観でき、「よりよい理学療法とは何か」を探求することができる。



履修上の注意

医療倫理、生命倫理にかかわる事柄は、毎日新しく起こっている。新聞やニュースなどをよく読み、いろいろな意見を参考できるようにすること。一つ一つの事柄について学び、自分の意見をまとめるように努めること。授業のまとめは、具体的な討論をするので実践すること。



【事前準備学習】

1)教科書は早めに購入して、予習をしておくこと。
2)毎回、事前に、講義の資料(レジュメ)を教材ボックスにPDFにて掲載するので、受講前・後の学習(準備)に役立ててほしい。
3)レジュメは配布するが、自らもノートをとり、常にノートを読み返し、興味のあることは図書館を利用して調べ、知識を豊富にしてほしい。
4)レポート課題を求めることがあるので、常に自らも課題を持ってレポート課題に臨んでほしい。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書『医療倫理学』 小川芳男 北樹出版 2012
参考書『医療の倫理』 星野一正 岩波新書 1995
『医療倫理学の方法ー原則・手順・ナラティブ』 宮坂道夫 医学書院 2011
『入門・医療倫理Ⅰ、Ⅱ』 赤林 郎 勁草書房 2007
『生命・医療倫理学入門DVD』 総監修:赤林 郎 丸善株式会社 2013
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

筆記試験、レポート課題、授業態度をもって、総合的に評価する。



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1倫理、および医療倫理の概念(なぜ医療倫理を学ぶのか)
2リハビリテーションと障害者観の変遷、ヒポクラテスの宣言、医のサイエンスとアート
3医療倫理の学び方:歴史に観る医療倫理の流れと障害者観
4医療倫理の4原則、(医療倫理に関するレポート課題の提示)
5医(療)の倫理ー医療倫理に関する国際規定、宣言、ガイドライン
6今日の倫理的諸問題に対応する生命倫理の考え方1:生殖医療、人工妊娠中絶、人工授精、遺伝子診断・治療、
7今日の倫理的諸問題に対応する生命倫理の考え方2:脳死と臓器移植、ターミナルケア、尊厳死・安楽死、再生医療
8まとめ、試験