【講義概要】
世界各地には、国境を越えて移動する数多くの国際移民がいる。彼らはなぜ、どのようにして国境を越えていったのか。
この授業では、学生が、国際移民の社会学を学ぶ。ひとつめに、国際移動の歴史を押さえつつ、戦後の国際移動の形態が多様化していくことを学習する。次に、国際移民が移住先でいかに社会統合を達成していくのか、市場・国家・家族の視点から考える。三つ目に、複数国家をまたいで生活を組み立てる越境移民の現状とグローバルなインパクトを学ぶ。最後に、国際社会学の理論概念をまなぶとともに、まとめとふりかえりを行う。
この授業では毎回、テーマに関連する小課題に取り組む時間を設ける。単位取得のためには欠かせない作業となるので、継続的にクラスに参加できないと履修は難しいと考えてほしい。
授業の構成や進め方、課題や成績評価などは、初回のガイダンスで説明する。受講する学生は、必ずこのガイダンスに出席すること。
※COC地域志向科目
【学習到達目標】
①学生が、国際移動の形態とそのメカニズムを説明できる。
②学生が、移民統合をめぐる問題とその原因を説明できる。
③学生が、越境移民がもたらすグローバルなインパクトを説明できる。
④学生が、多文化主義社会が抱える課題を説明できる。
⑤学生が、国際社会学の概念を用いて社会現象を説明できる。
【履修上の注意】
関連科目として、「国際人権論」や「ジェンダー論」などがある。興味がある学生は併せて履修してほしい。
外部講師による講演会、学外実習などが企画されることもある。
【事前準備学習】
国際移住機関(IOM)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、経済協力開発機構(OECD)などのホームページを見て、国際移動に関連する情報にふれておいてほしい。また新聞やニュースなどを見ながら、世界各地で国際移民が直面するさまざまな課題について見聞きしておいてほしい。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 『現代人の国際社会学・入門―トランスナショナリズムという視点』 西原和久・樽本英樹編 有斐閣 2016 授業は、パワーポイントのハンドアウトなどを使用する。 |
参考書 | 『国際移民の時代 第四版』 S. カースルズ&M.J. ミラー 名古屋大学出版会 2011 『移住・移民の世界地図』 Russell King ほか 丸善出版 2011 『Beyond A Border』 Peter Kivisto and Thomas Faist Pine Forge Press 2010 『難民を知るための基礎知識』 滝澤三郎・山田満編 明石書店 2017 この他の文献や資料については、授業中に紹介する。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
国際移民論は、最終試験(50%)、中間試験(30%)、平常点(20%)の総合点によって評価する。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | ガイダンス | |
2 | 国際移動論:第二次大戦前の国際移民 | |
3 | 国際移動論:戦後から1970年代までの国際移民 | |
4 | 国際移動論:国際移民の多様化 | |
5 | 国際移動論:国際移動の社会学 | |
6 | 社会統合論:国際移民と労働市場 | |
7 | 社会統合論:国際移民とシティズンシップ | |
8 | 社会統合論:国際移民と家族 | |
9 | 越境移民のインパクト:政治的トランスナショナリズム | |
10 | 越境移民のインパクト:経済的トランスナショナリズム | |
11 | 越境移民のインパクト:社会的トランスナショナリズム | |
12 | 越境移民のインパクト:宗教的トランスナショナリズム | |
13 | 国際社会学の理論:人種の社会学 | |
14 | 国際社会学の理論:エスニシティの社会学 | |
15 | まとめ:国際移動論の現代的課題 | |
16 | 定期試験期間 | |