【講義概要】
日本は国際社会において、いわゆる先進工業国として、政府や民間団体(NGO)が発展途上国に対して、協力援助を提供してきている。政府開発援助では日本の経済的利益や「国益」を強調する議論もあるが、あくまで援助を必要とする人々を対象に人道的援助を続けるべきであるという主張もある。本講義ではそうした状況を踏まえ、日本の国際協力を核に据えて、国際社会の状況や日本と国際社会との関係を考える。
まず、世界の現状を途上国の貧困、開発問題などに触れて、考える。アフリカのコーヒー農園、世界が100人の村だったら、インドネシアにおける森林破壊など、具体的な事例を紹介しながら、途上国の現状を検証する。日本との関係も考える。そして、国際協力の定義に触れる。それから、日本による政府開発援助(ODA)の概要、問題点(環境・住民強制移転)を紹介する。他方、青年海外協力隊の活動も紹介し、ODAによる貢献にも触れる。 その後、民間団体(NGO)による国際協力について、名古屋NGOセンター作成によるテキストを用いて、検討する。最後にまとめとして、国際協力の意義、課題を整理する。
国際協力の在り方について、理解を深め、できうることを考えてもらう。
DVDを上映したり、ゲストスピーカーを招待し、国際協力に関して、臨場感をもって、理解してもらうようにする。なお、本授業は外国学部開講科目「国際社会と日本」をも兼ねる。
※COC地域志向科目
【学習到達目標】
発展途上国の経済的状況について理解する。
日本による国際協力の概要、課題を理解する。
【履修上の注意】
授業の3分の1以上欠席した場合、単位を認定しない。私語厳禁。遅刻厳禁。
コメントペーパーを通じて、授業内容について、回答を求めることもあるので、積極的に授業に参加し、理解に努めるようにすること。
【事前準備学習】
国際協力に関して、新聞やテレビの報道に注目し、読み、視聴するようにしてください。
また、発展途上国に関して、同様に関心を払ってください。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『徹底検証ニッポンのODA』 村井吉敬 コモンズ 2006 『脱「国際協力」 : 開発と平和構築を超えて』 越田清和他 新評論 2011 『小さな民のグローバル学―共生の思想と実践をもとめて』 甲斐田真智子・佐竹眞明・長津一史・幡谷則子 共編著 上智大学出版 2016 『NGOの発展の軌跡 : 国際協力NGOの発展とその専門性』 重田博康 明石書店 2005 『フェアトレード@ライフ』 藤原千尋 春秋社 2007 |
指定図書 | 『脱「国際協力」』 藤岡美恵子, 越田清和, 中野憲志編 新評論 2011.9 『小さな民のグローバル学 : 共生の思想と実践をもとめて』 甲斐田万智子 [ほか] 共編著 Sophia University Press上智大学出版 2016.1 |
【評価方法】
平常点30%、コメントペーパーその他10%、レポート試験60%。授業の三分の一以上休んだ場合 単位を認定しない。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロ ガーナのそのこ | |
2 | 南北格差 世界が100人の村だったら | |
3 | 低開発とは インドの働く子どもたち | |
4 | 南北問題と私たち1. インドネシアのオランウータン | |
5 | 国際協力とは | |
6 | 日本の政府開発援助(ODA) 概略 | |
7 | 1.環境と住民移転問題 | |
8 | 2.続編 対応策 | |
9 | 政府援助の現状 | |
10 | 青年海外協力隊 | |
11 | 研修事業 | |
12 | 民間の国際協力 | |
13 | 民間の国際協力の続き | |
14 | 地域のNGO | |
15 | 国際協力 まとめ | |
16 | 定期試験 | |