【講義概要】
朝の目覚まし時計。起きがけにブルっと震えてストーブの栓をカチリ。パンを焼くトースター。時計代わりに点けたテレビ。通学にはバスと電車あるいはバイクや車。全てはエネルギー無しには動かない。身につけている化繊のジャケットや靴下。食卓に並んだ季節を忘れた野菜や果物。エアコンの効いた快適な住空間。これまた全てエネルギーの恩恵である。
我々の生活にはことごとくエネルギーが密接に絡んでいる。空気や水のごとく、在ってあたりまえ、無い状態など想像できないくらい、その存在を認識せずに消費している。エネルギーを消費することによって我々は便利さや快適さを確保し、時間を買うことさえ可能とした。
ところがエネルギーの確保や消費には様々な問題が伴うことを忘れてはならない。まず、日本には経済的なエネルギー資源がほとんど存在しない。そのため、海外からの輸入に依存する。そこで、どのようにエネルギーを確保するかという経済安全保障の問題が出てくる。経済活動に不可欠であるという商品特性や世界的な資源賦存が地理的に遍在していることから、この商品は歴史上常に戦略商品となってきた。「戦争の歴史はエネルギー確保の歴史」であったといっても過言ではない。
本講座の内容は,大きく3部で構成される。1部はエネルギーの基礎知識,2部はエネルギーと経済,3部はエネルギー政策,である。
講義は全てプロジェクターとスクリーンを利用して行う。スクリーンに映し出されたパワーポイントのスライドは,授業の折にプリントして配布する(ただし,空欄があるので学生は授業中にその穴埋めをする)。また,授業中に用いた資料は,できるだけCCSにアップする予定である。 エネルギーが現代の社会経済にいかに影響を及ぼしているか,実際のデータやトピックスを折りませながら,優しく丁寧に解説していくつもりである。
【学習到達目標】
学習到達目標は、国際的な視野からエネルギー問題への理解を深め,我が国のエネルギー政策に対して,自らの考えを持ち,他者とディスカッションできるようになることと。
【履修上の注意】
・すべての講義に出席すること。
・履修生には,エネルギー問題にかかわるニュースについて発表(報告)して貰うことがある。
・エネルギー問題に関わるレポート提出を求めることがある。
・個別テーマについてケースメソッドとして討論会を行うことがある(その場合には事前に自分の意見を準備しておくこと)。
【事前準備学習】
・次回の授業範囲を予習し,専門用語の意味を理解しておくこと。
・ケースメソッドを行う前の週に課題を出すので,当日までに自分の考えをまとめておくことい(A4 1枚程度,課題提出)。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | 『エネルギー政策の新展開』 木船・野村・西村共編著 晃洋書房 2017年 『エネルギー白書』 経済産業省資源エネルギー庁 政府刊行物 2016年 『エネルギー問題入門』 リチャード・ムラー 樂工社 2014年 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
・学期末試験(60%)と平常点(40%)
・平常点は授業内での報告,課題レポート
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | エネルギーとは | |
2 | エネルギー問題の重要性 | |
3 | エネルギーバランス表の読み方 | |
4 | エネルギー問題の基本的な知見(復習) | |
5 | エネルギーと経済活動 | |
6 | エネルギーの需要分析 | |
7 | エネルギーの供給分析 | |
8 | エネルギー政策の経済 | |
9 | エネルギーの経済分析(復習) | |
10 | 石油産業の成立 | |
11 | 国際石油市場 | |
12 | 電気事業と政策 | |
13 | 原子力政策 | |
14 | 再生可能エネルギー政策 | |
15 | 資源エネルギー政策の要点(全体の復習) | |
16 | 定期試験期間 | |