名古屋学院大学シラバス


                シラバス

シラバス 詳細

【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
5限地理学春A名古屋 22林 上GQ2403

【授業情報】

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講義概要

 われわれが日々,生活している資本主義社会は,経済的営みの進展にともない絶えず変化している。現代の経済活動を見ていてとくに顕著に感じられるのは,企業のグローバル展開の本格化とそれにともなう市場取引の変化である。日本の主要企業は縮小する国内市場に見切りをつけ,グローバル市場の獲得に向けて勢いを増している。地球的スケールから見てもっとも適切な場所で調達・生産・販売する戦略が広く浸透し,国際的なサプライチェーンが構築されてきた。この結果,国内市場で取引される製品においても,こうしたサプライチェーンを経て届けられるものの割合が高まっている。われわれの日常生活の多くが,グローバル企業の手を介して供給される財やサービスによって支えられる時代になった。
 こうした資本主義社会の変貌を理解する方法は種々ある。インターネットの普及以降,社会や経済のことを知る身近な情報収集手段としてパソコンをはじめとする情報通信機器が強力な機能を発揮するようになった。インターネットは世界中で起こっていることがらを瞬時に伝える一方で,それ自体が社会や経済の仕組みを変えていくのに大きな威力を発揮している。その影響は教育や研究の分野にも及んでおり,世界を理解する道案内役としての学問も,高度な情報蓄積とそのネットワーク化によって変わりつつある。
 この授業では,上述した資本主義社会の変化を牽引する経済活動を都市を中心とする地理学の視点から考える。都市は集積の経済を求めて立地する製造業,商業,サービス業の主たる活動の舞台であり,その性格は基本的に昔も今も変わらない。都市に集積した経済活動を理解するために,地理学は都市地理学や経済地理学という部門領域を設けて対応してきた。ダイナミックな経済の動きとそれをとらえる情報ネットワーク化の進歩をまえに,人文地理学も学問内容を大きく変えなければならない。新しい視点に立ちながら,都市と経済の地理学について考える。




【学習到達目標】

 人文地理学を学ぶのは,われわれが生活している社会や経済の仕組みを地域や空間の視点から理解し,その成り立ちを知ることにある。こうした能力を養うには,まず人文活動の歴史的発展と現状に関する知識を習得する必要がある。そのうえで,習得した知識をもとに,望ましい社会や経済のあり方について考える。人文社会についての知識と応用力を獲得することが,この科目の学習到達目標である。



履修上の注意

 テキストを使用するので,必ず手に入れて講義にのぞむこと。



【事前準備学習】

テキストを事前によく読んでおくこと。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書『都市と経済の地理学』 林  上 原書房 2014
参考書『現代都市地理学』 林  上 原書房 2012
『現代社会の経済地理学』 林  上 原書房 2010
指定図書-指定図書は、登録されていません。-

評価方法

試験60% 平常点40%



【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1経済と都市に関する地理学研究
2経済地理学と制度論的経済学
3市場取引と制度的技術革新
4グローバル・バリューチェーン
5市場取引と制度・商圏
6市場取引の費用と種類
7価値の連鎖と市場の失敗
8企業の組織・行動と統合化
9規模で異なる企業の特徴
10変貌を続ける現代の企業
11労働市場の変化と高学歴社会
12低迷する労働組合と労働政策
13労働市場の二重構造と柔軟な労働
14失業と労働力移動による調整
15技術革新の創出・普及と担い手
16定期試験期間