名古屋学院大学シラバス


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【時間割】

学期曜日時限科目名開講期キャンパスペア単位年次教員名科目ナンバー
3限経済史入門秋A名古屋 21名城 邦夫EB1406

【授業情報】

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講義概要

世界史を二つの視点から分析し、現代経済社会の理解にまで至ることを目指したい。まず第一の視点は、各国史の独自の発展を認め、各国社会経済発展自身の自主的発展とその生産力の上昇が歴史発展の推進力とみなす認識方法である。このような認識方法では特に、それぞれの社会の階級関係が大きな意味を持ち、それを基礎に社会構成が決定され、質的に異なる国民経済の同時的存在を現代社会の状況と理解するものである。一言でいえば不均等発展の同時存在から中心地域の硬直化による他地域への技術と生産力の移転による覇権国の交代を想定するものである。第二の視点は、経済発展の基本的推進力は商品貨幣経済の発展拡大によって達成されるという認識方法をとるものである。各地域さらには各国の経済発展は外部の流通過程、具体的には商品貨幣経済の展開によって達成されるとする立場である。本講義では両者の視点を念頭に置き、さらに近年のグローバルヒストリーの視点も参考にしつつ、地域と外部世界のインパクトとレスポンスの関係を基本とし、世界史的に把握する立場から中世から第二次世界大戦後のヨーロッパ統合とアメリカの覇権の衰退に至る現代までの経済史の発展過程を概観する。前半ではその内、西ヨーロッパにおける産業革命までの時期を論ずる予定である。後半では産業革命以降のヨーロッパ、アメリカ、日本経済史上の重要事項を講義する。資本主義世界経済システムのイギリスによる覇権の成立について説明し、それが、ドイツ、アメリカによって挑戦を受け、第一次、第二次世界大戦を経て、アメリカの覇権への移行の過程を述べる。



【学習到達目標】

西ヨーロッパにおける市場経済の成立と発展過程の概要を理解し、さらに、資本主義市場経済の基本的特徴と現代資本主義の特徴について理解するように努める。21世紀に入った現代社会を16世紀以降のグローバリゼーションの一環ととらえ、その変革の可能性について学習する。



履修上の注意

 毎回アンケートを取り、テーマごとに小テストを行う予定である。講義の予習、基礎学力を養うために各講義テーマごとに具体的な内容を事前に学習してもらうために毎週課題を与える予定である。



【事前準備学習】

世界地図であらかじめヨーロッパ、アジア、アメリカの歴史地図を古代、中世、近世、近代、現代の経済に関する頁を中心に見ておくこと。高校世界史の用語集を用意し、封建制、地理上の発見、商業革命、オランダ共和国、イギリス絶対王政、市民革命、農業革命、産業革命、近代資本主義、フォードシステム、独占資本主義の項目を読んでおくこと。



【教材】

※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
  図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書教科書は使用しない。
参考書『経済史入門』 岡田泰男 慶應義塾大学出版社 1999年
『ドイツ社会経済史』 F-W・ヘニング著柴田秀樹訳 ドイツ社会経済史 工業化前のドイツ 1998年
参考書は講義中に逐次指示する。
指定図書『あなたが歴史と出会うとき : 経済の視点から 新版』 堺憲一著 名古屋大学出版会 2009.3
『経済史入門 : 現在と過去を結ぶもの』 岡田泰男著 慶應義塾大学出版会 1997.10

評価方法

試験50% 平常点50%(ミニッツペーパ40% 事前準備課題10%)




【講義テーマ】

回数テーマテーマURL
1経済史とは何か
2ヨーロッパ封建社会の特徴
3ヨーロッパにおける荘園制の成立と発展
4中世都市の成立
5中世都市の発展と農村の変化
6中世商業革命と市場経済の成立
7貨幣信用経済の発展
8地理上の発見と資本主義世界経済の成立
9商業資本主義の発展とロンドンの隆盛
10絶対王政の成立とプロト・工業化
11イギリス産業革命の前提
12イギリス産業革命
131873年大不況と第二次産業革命
14イギリス資本主義の発展と20世紀の停滞
15経済史の課題とまとめ
16定期試験期間