【講義概要】
本講義は,アジア地域の経済的な変化を概観し,アジアに対する認識を深める事を目的としている。1990年代後半の経済危機,2008年のリーマンショックという大きな経済的「事件」を経て,現在に至ったアジア地域の特徴や,将来的な方向性を検討し,日本を含めたアジアの経済について考える契機を提供したい。
現在,アジア経済の牽引車であった中国は,経済成長率が鈍化し,その余波は多くの国に広がりつつある。工業化に伴う経済成長を既定路線とする従来の方法や構造が行き詰まりを見せた。また,アジア地域は,人口変動による影響を大きく受ける可能性があり,それが引き起こす経済的諸問題も無視できない。こうしたアジア地域が抱える問題を通して,将来的にアジアの経済をどのような方向に導くべきか考える必要がある。本講義では,そのための情報を提供し,学生諸君が知っておくべきポイントを提示していく。
ただし,本講義では「地域」としてのアジアを考える重要性を根底のテーマとして設定しており,アジア各国の経済事情を詳細に紹介することを目的としているわけではない。
以上のことを留意して,学生諸君にとって昨今のアジア経済を理解する上で必要な基本的知識を会得できるような内容を心掛けたい。
【学習到達目標】
アジア地域における経済的な諸問題を理解し,現在および将来的な課題を認識すること。
・現状認識をマクロ的観点から行い,アジア経済の構造と特質を把握する。
・現代アジア経済の形成過程から,世界経済におけるアジアの位置と役割を理解する。
・アジア地域が抱える問題について,経済学的に理解する。
【履修上の注意】
受講にあたっての注意事項を最初の時間にお話しします。必ず出席して下さい。
シラバスの内容については授業の進行上,前後する場合がありますので御了承下さい。
【事前準備学習】
事前:アジア地域を地理的に概観できる地図を見て,各国の位置と自然条件を確認すること。
事前:なるべく自分でアジアに関するデータを入手しておくこと。
事後:講義後,minutepaperによる課題を出しますので,期日までに解答すること。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | 特に無し。参考文献については適宜紹介する |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
定期試験 60% 平常点 40%
なお,学期中に,学習内容の確認小テスト,ないしはレポートを課す場合がある。
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | はじめに ~ガイダンス~ | |
2 | アジアを学ぶこととは? | |
3 | アジア経済の現状 ~20世紀末から現在まで~ | |
4 | アジアにおける経済成長のプロセス | |
5 | 経済危機から見たアジア経済の特質 | |
6 | アジアが抱える経済的問題 | |
7 | アジアが直面する社会問題 ~人口問題~ | |
8 | 経済を支える人口とは? ~生産年齢人口~ | |
9 | 人口ボーナスとアジア経済 | |
10 | 人口オーナスとアジア経済 | |
11 | 人口減少が経済に及ぼす影響 | |
12 | アジアの少子化・高齢化と経済 | |
13 | 不平等の拡大とその対策 | |
14 | 貿易自由化の潮流概観 | |
15 | 日本とアジアの関係を考える | |
16 | 定期試験期間 | |