【講義概要】
トポロジー(位相幾何学)は、図形の形状を問題にする学問である。そこでは、図形を曲げたり伸ばしたり縮めたりしても変わらない性質を探究する。
本講義では、イメージしやすい2次元の図形を中心に、ある条件下でどのような図形が考えられるのか、2つの図形が同じかどうかをどう判定するのか、といった問題について考える。与えられた条件を満たすものとしてどのような可能性があるのかを全て網羅することは、一般になかなか難しい作業であるが、いろいろなアイデアによりそれが単純な作業に帰着できたり、意外に簡単な結論が得られたりすることがわかる。こうしたことを通して、論理的な思考法や問題解決の手法に触れ、客観的な者の見方を養う。
特別な知識は必要ないが、抽象的な思考法に慣れている方が望ましい。
【学習到達目標】
「全ての可能性」を尽くすための手法を体験することで、その重要性と工夫の必要性を理解し、さらに、例外を許さない丁寧な証明の重要性を理解すること。その結果として、具体的に曲面の同相判定ができるようになること。
【履修上の注意】
期末課題レポート(授業最終回に提出とする予定)、および何度か課す予定のレポート課題の出来具合によって成績評価を行う。特に何かの教科書に沿った授業ではないので、授業に出席しその内容を理解しようとする姿勢が必要がある。
【事前準備学習】
特別な準備は必要ないが、頭の中で図形を操作してその形を考える場合が多いので、立体的な図形を想像したり絵に描いたりする練習をしておくことが望ましい。特に、毎回の講義で扱われた図形について自ら再度描画するなど、慣れておくことが必要である。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
教科書 | -教科書は、登録されていません。- |
参考書 | -参考書は、登録されていません。- |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【評価方法】
平常点(期末を含むレポート課題)100%
【講義テーマ】
回数 | テーマ | テーマURL |
1 | イントロダクション | |
2 | 1次元トポロジーと不動点定理 | |
3 | トポロジー的球面 | |
4 | 2次元トポロジー | |
5 | 2次元図形の展開 | |
6 | 展開図からの図形の構成 | |
7 | 展開図の扱い | |
8 | 曲面・閉曲面と展開図 | |
9 | オイラー数 | |
10 | 展開図とオイラー数の計算 | |
11 | 連結性と向き付け可能性 | |
12 | 分類定理 | |
13 | 分類定理の証明 | |
14 | 3次元多様体 | |
15 | まとめ | |
16 | 定期試験期間 | |