【主題】
「接客・身の回りの中国語・英語」と「言語のしくみ」
【指導方針概要】
私の語学の授業に出たことのある人は知っていると思いますが、常に「この日本語を、この外国語ではどう言うか?」という方向を意識した授業になっています。それは、外国語を学んでいる以上、「その外国語を日本語訳する」だけでなく、「日本語をその外国語で言える」ことこそが、楽しい、醍醐味だ、と私は思っていて、それをみんなにも体感して欲しい、と思うからです。
来日外国人の数は年々増えており、それに伴い、日本国内での仕事でも、特にここ数年、急激に増えている中国・台湾人が話す「中国語」や、世界の共通語としての「英語」に対する需要は、益々高まりつつあります。
私の専門は中国語ですが、中国に2年、米国に1年いた経験を生かして、以下のことを行なう予定です。
①「接客・身の回りの日本語を、片っ端から中国語と英語で言ってみよう!」ということを目標として、「中国語」と「英語」の両方を習得していきましょう。
②日・中・英3言語を比較することをきっかけに、卒業研究としては、日本語を含む複数の言語・方言のしくみを比較して、各自が興味ある言語・方言の、興味ある点の特徴をまとめていきましょう。
接客の中国語・英語は、教科書ではあまり出て来ないでしょうし、留学経験のある人でも、日本における場面で使う中国語・英語は、留学先で学ぶ内容ともまた少し違うので、意外に知らないものも結構あると思います。ごく簡単なもの、例えば、「こちらへどうぞ。」「ごゆっくりどうぞ。」「係の者を呼んで参ります。」などでも、サッと言える人は意外に少ないのではないでしょうか。
逆に言うと、そんなに長く複雑な文ではないので、「中国語は初心者。」「英語は苦手。」という人でも大丈夫です。中国語は、最初に、漢字の発音を表わすローマ字(ピンイン)の読み方さえ一通り覚えれば、何とかなります。中国語・英語の両方を「できるようになりたい!」という熱意さえあって、真面目に努力できる人なら、大歓迎です。ちょっと練習すれば、すぐに言えるようになると思います。第二外国語の授業でも使っている方法ですが、パワポを自分でクリックしながら、日本語→中国語→英語の順で表示して、ある程度個人練習した後、他のメンバーとの会話練習を通して、みんなで楽しく身に付けていきましょう。
「中国語が得意な人は英語が苦手。」逆に、「英語が得意な人は中国語が苦手。」という傾向が一般的にはあるようですが、ゼミに入ったらお互い様、得意な方を更に伸ばし、苦手な方もそこそこできるように、お互い励まし合いながら、和気藹々と、卒業までに中国語・英語の両方をある程度習得し、使えるマルチリンガルな社会人を目指して、頑張っていきましょう。
尚、中国語上級者で、希望する人には、よりレベルの高い口語表現フレーズの用意もあります。
言語・方言のしくみについては、イメージが湧きにくいかと思うので、以下に少し例を挙げておきます:
ex.1 (○/●はアクセントの低/高を表わす。○=低、●=高。)
東京 名古屋 大阪 鹿児島
「地下鉄(ちかてつ)」 ○●●● ○○●● ○●○○ ○○○●
ex.2 日本語:中国語 日本語:中国語
「音」 オン : yin1 「英」 エイ : ying1
「完」 カン : wan2 「王」 オウ : wang2
◎ -ン : -n ◎ -イ・ウ: -ng
ex.3 中国語共通語:中国語東北方言
「汚い」 脏(zang1) :埋汰(mai2tai5)
「スズメ」 麻雀(ma2que4):家雀儿(jia1qiao3r)
「サツマイモ」 白薯(bai2shu3):地瓜(di4gua1)
ex.4 日本漢字音: 広東語音 :韓国漢字音
「十」 ジフ :sap6(サップ) : 십(シップ)
「一」 イチ : yat1(ヤット) : 일(イル)
「六」 ロク : luk6(ルック) : 육(ユック)
◎ -フ : -p : -p
◎ -チ : -t : -l
◎ -ク : -k : -k
ex.5 英語 :スペイン語:フランス語
「学校」 school : escuela : école
「勉強」 study : estudio : étude
◎ s- : es- : e-
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、1週間借りることができます。(一部貸出不可の図書もあります。)
テキスト | プリントなどを配布する。 |
指定図書 | -指定図書は、登録されていません。- |
【学生に対する希望事項】
「語学が好きで、外国語を勉強すること自体が楽しく、真面目に努力できる。」という人は、向いていると思います。