【主題】
ヨーロッパにおける市場経済の発展と国民国家の形成
【指導方針概要】
ヨーロッパでは13、14世紀ころ北イタリアにおいて現代につながる市場経済の技術とシステムが形成された。その後、市場経済システムが16世紀初めには西ヨーロッパ全体に広がるとともに、中世の主従関係に基づく人的な結合を基盤とする国家から官僚制や常備軍などの制度を備えた新たな領域国家が誕生した。17世紀にはオランダを中心とする資本主義市場経済システムが形成され、歴史上初めて主権国家関係に基づく国際関係が成立することになった。近世身分制社会を止揚した近代的市民社会を伴う資本主義システムの成立である。その後、18世紀後半から19世紀にかけてイギリスを先頭とする産業革命の進展によって、新たにイギリス覇権の産業資本主義市場経済システムが形成されることになった。その後、独占の形成や高度な資本主義市場経済システムへ移行していったが、近現代における最大の課題は世界的規模で展開される資本主義市場経済システムとその中で繰り広げられる主権国家間の関係を理解することである。ゼミでは近現代のこのようなテーマを欧米を中心に、日本との関係や社会や文化構造の変化にも注目して学んでいくことにしている。
【教材】
※指定図書は担当教員が、学生が必読すべきものとして指定する図書のことです。
図書は図書館に置いてあり、１週間借りることができます。（一部貸出不可の図書もあります。）
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【学生に対する希望事項】
2年、3年で学んだ西洋経済史の基礎知識を前提に、4月初めに卒論のテーマを決定し、個別指導を行う。最終的な構想がまとまる前に必ずゼミで発表することを義務づける。指導教員の最終了解ののちに卒論を書き始めることにする。